国内FX業者の1つであるOANDAと、海外FX業者で有名なXMの両方を使ってみました。MT5でトレードして気づいた違いについて記します。
高頻度で細かく稼ぐにはOANDA、ゆっくり大きく稼ぐにはXMが向いている。
適用される法令が異なる
冒頭で記したとおり、OANDAは国内FX業者であり、XMは海外XM業者です。そのため、適用される法令が異なり、それによりルールにも違いが出てきます。トレードを行う上で分かりやすいものは最大レバレッジ倍率とゼロカットルールの有無でしょう。
最大レバレッジ倍率が異なる
国内のFX業者は、法令により最大レバレッジ倍率が25倍までと決まっています。OANDAのレバレッジ倍率は25倍で固定されています。
一方、XMは最大888倍になっているため、少ない資金で多額の利益を得ることが可能になっています(その逆も然りですが…)。
ゼロカットルールの有無が異なる
国内のFX業者は、法令によりゼロカットルール(口座残高がマイナスになったときにマイナス分を補填する)を適用できないことになっています。そのため、口座残高がマイナスになると、それがそのままFX業者に対する借金になってしまいます。
通常は、無理なトレードをしなければ残高がマイナスになることはないはずです。しかし、相場の大幅な急変時(2015/1/15のスイスフランショックなど)には、ストップ注文をかけていてもそれ以上に相場が変動し、当初設定していた価格から大きく外れた場所でストップ注文が確定してしまうことで、多額のマイナスになることがあり得ます。稀なことではありますが、非常に怖いものです。
海外のFX業者はゼロカットルールが禁止されているわけではなく、現にXMはゼロカットルールが適用されます。そのため、万が一相場の急変に巻き込まれても、借金を背負うことはありません。もっとも、過去にはゼロカットルールを謳っていた某老舗海外FX業者が、約束を反故にしてゼロカットを行わなかったことがあるため、本当に大きなダメージを受けたときにはXMも100%補償するとは言い切れませんが、少なくとも多少は希望を持てるかと…。
なお、流動性が低下した場合(ストップ注文が想定通りに効かない)に大損を食らわない方法については、こちらの記事も参考になります。
スプレッドの大きさが異なる
OANDAとXMを比べると、OANDAの方がスプレッドが小さいです。
例えば、USD/JPYペアの場合、コースにもよりますがOANDAのスプレッドは0.3〜0.8銭(3〜8 pips)です。
一方、XMのスプレッドは最低でも十数pips、大きいときには数十pipsとなるため、約定した瞬間に一定額の損失が発生します。OANDAのスプレッドに慣れていると、かなりズレた金額で約定しているような錯覚に陥ると思います。

利確・損切りを設定できる価格の範囲が異なる
個人的には、これの違いが結構大きいように思います。
トレードによる損失を最小限にするには、注文時に損切り用のストップ注文を同時に行うのが必要になります。以下ではMT5で指値注文を行うことを考えます。
OANDAの場合は、損切りおよび利確の価格は、注文価格からそれぞれ5 pips離れている必要があります。損切り用のストップ注文を注文価格から5 pips離れたところに置いておけば、必要以上の損切りが発生する可能性が高いものの、一回あたりの損失は少額に抑えることができます。
なお、約定後に損切り・利確価格を変えるときは、注文価格ではなく現在価格からそれぞれ5 pips離れている必要があります。また、トレーリングストップも最小幅が5 pipsになっています。
一方でXMの場合も同様に、損切りおよび利確の価格は注文価格から離れている必要がありますが、5 pipsではなく40 pips離れている必要があります。これは相場に大きな動きがない場合、特にM1やM5など短いスパンのチャートを見ているときの変動よりも大きいため、短時間で売買する用途にはあまり役に立たないかもしれません。
XMとOANDAの使い分け
上記のように、細々と高頻度で取引する分には、スプレッドが小さいOANDAが便利ですが、この用途ではXMは若干不向きです。
そのため、OANDAはスキャルピングで細々稼ぎ、少し長い目で大きく稼ぐためにXMを利用するというのが1つの使い分けの方法でしょう。